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【英語のニュアンスをつかむ】 “Kill Bill” – SZAの歌詞レビューと英語の解説

この記事では、英語ネイティブの日英バイリンガル・アミノくんと一緒に、SZAが歌う”Kill Bill”の歌詞に出てくる英語のフレーズを解説していきます。

多彩な英語表現と曲を楽しみましょう。

曲を聴く

“Kill Bill”SZA

どんなことを歌っているの?

最初に、歌のストーリーが集約されているサビを見てみましょう。

I might

I might kill my ex

Not the best idea

His new girlfriend’s next

How’d I get here?

I might kill my ex

I still love him though

Rather be in jail than alone

SZA “Kill Bill”

アミノくん

思い詰めて激しく葛藤してる

この曲の主人公は、元恋人との関係の終わりを受け入れられずに苦しんでいます。

その苦しみを終わらすために、元恋人を手に掛けようと考えてみたり踏みとどまったりする様子が、このサビで歌われています。

英語のニュアンスをつかむ

ここからは、歌詞全体を見て、歌詞と英語の表現のニュアンスを掴んできます。

I was salty.

I was salty.

私はイラついた。腹立った。

Saltyは、誰かや何かに対して憤りを感じたりイライラしたりすることを意味します。

アミノくん

嫉妬して批判的になってるようなときも使う

うさみ

怒ってムカムカモヤモヤしてる感じかな

If I’m not the one drivin’

Hate to see you happy if I’m not the one drivin’

幸せな理由が私でないなら、あなたの幸せな姿を見るのはイヤ。

この歌詞の中では、”drivin’”は「状況や関係の舵を取ること」だと解釈できるでしょう。

アミノくん

“If I’m not the one drivin'”は「彼を幸せにしている功労者が私ではないなら」と解釈できる

うさみ

「今、彼を幸せにしているのは私ではない」という状況を指しているのね

アミノくん

曲の主人公は、彼が幸せな理由がもう自分じゃないことが悲しくて悔しいんだ

曲の主人公は「彼の幸せを握っているのは自分でありたい」という願望と、そうでない現実への失望、彼が幸せな理由が他の女性であることへの嫉妬などの気持ちが入り混じって毒づいているようです。

Not the best idea.

Not the best idea.

よくないかも。やめたほうがいいかも。

“Not the best idea.”は、ある考えや決断が良いものではないため、軌道修正や別の選択肢を選ぶことを促すときに使うフレーズです。

「一番いい考えではない」という言い方なので、「(いいんだけど)他にもっといい考えがあるよ」という少しやんわりとしたダメ出しのニュアンスになります。

“Not a good idea.”という言い方もありますが、そちらのほうが「良くない考えだよ」とストレートに否定している表現です。

アミノくん

元カレを殺しちゃう勢いだけど、「それ以外に自分の感情を昇華する方法はあるだろ、やめとけ」と自分を制止している

うさみ

でも、元彼を殺したら、今カノも殺っちゃう気だよね?

アミノくん

だね。このあと、”His new girlfriend’s next”って言ってるから

It’s a lost cause.

“It’s a lost cause.”

諦めるしかない。もうダメだ。

“It’s a lost cause.”は、会話でよく使われるイディオムです。

改善や成功の見込みがない状況に対して、もう疲れた気持ちや諦めの気持ちを表すときに使います。

Now you layin’ face-down.

Now you layin’ face-down.

あなたがうつ伏せに倒れてる。

“face-down”は、顔を地面に向けた状態のこと。殴られたりして、ぐったりして抵抗できない状態にあることを暗示しています。

“layin’ face-down “は、顔を地面に向けて腹ばいになって横たわっている状態で、敗北や無力で抵抗できないことを伝えるフレーズとして使われます。

この曲のモチーフとなっている映画「キル・ビル」のような格闘技映画では、やっつけた相手が地面にうつ伏せに倒れるシーンがよく出てきますよね?

それをイメージした表現だと考えられます。

覚えておきたいフレーズ2選

SZAの”Kill Bill”の歌詞から、ぜひ、覚えておきたいフレーズを2つピックアップ!

Not the best idea.

よくないかも。やめたほうがいいかも。

“It’s a lost cause.”

諦めるしかない。もうダメだ。

以上の2つの表現はよく使われるので、覚えておくと便利かも。