曲の意味

【曲の意味】”Just The Two Of Us”は恋愛の歌じゃない?!

リリースされて以来、多くのアーティストたちにカバーされ続けている名曲”Just The Two Of Us”

僕ら二人、がんばってやっていこう…という歌詞から、関係を修復しようとしているカップルの歌のように思えます。

が、実は、カリブ海のある島国についての歌だったのです!

アミノくん

わりと知られている話みたいよ?

うさみ

知らなかった!

この記事では、”Just The Two Of Us” の曲の意味と歌詞の英語表現を解説していきます。

インタビューなどの英文下のオーディオ再生ボタンを押すと、英語が音読されます。

“Just The Two Of Us”について

”Just The Two Of Us” は1980年にリリースされました。

ジャズ・フュージョン界を代表するサックス奏者Grover Washington Jr.(グローヴァー・ワシントン・ジュニア)のアルバム『Winelight』に収録されていた曲です。

Winelight』は1982年にグラミー賞の「最優秀ジャズ・フュージョンパフォーマンス賞」を受賞。

”Just The Two Of Us” は『最優秀R&Bソング賞』を受賞しています。

グローヴァー・ワシントン・ジュニアのアルバム『ワインライト』

次の3名が、”Just The Two Of Us” を書いたソングライターとしてクレジットされています。

  • Ralph MacDonald(ラルフ・マクドナルド)
  • Bill Withers(ビル・ウィザーズ)
  • William Salter(ウィリアム・ソルター)

いずれも、1970~80年代の音楽シーンを牽引した錚々たるメンバーですね。

「2つの島の歌」なのか検証

曲のタイトル”Just The Two Of Us” は「二人きり、二人だけ」という意味。

邦題は『クリスタルの恋人たち』

少し気取った情緒的な歌詞から、”Just The Two Of Us” はラブソングという印象を受けます。

そう聞こえるのは、作者の一人でシンガーのビル・ウィザーズの意図によるもの。

ビル・ウィザーズは「言葉にタキシードを着せた」と過去にインタビューで語っています。

作者本人の説明

ラルフ・マクドナルドが、あるインタビューの中で曲の意味を明言しています。

それによると、”Just The Two Of Us” は、人間の恋の歌ではなく、トリニダード・トバコ共和国について書かれた曲だそう。

メディア媒体『When Steal Talks』に掲載されているラルフ・マクドナルドのインタビュー記事を紹介します。

“Just The Two of Us”

It’s about the twin islands of Trinidad and Tobago.

“Just the Two of Us” reached No. 2 on the Billboard Hot 100 in 1981 and won the Grammy Award for Best R&B Song. 

And in an exclusive interview with When Steel Talks – Ralph MacDonald  co-writer of “Just the Two of Us” explained that song was about Trinidad and Tobago and their need to stick together.

When Still Talksより引用)

うさみ

2つの島に捧げた歌だったのか

2つの島の複雑な関係

トリニダード島とトバゴ島からなる国、トリニダード・トバコ共和国。

1980年、トバコ島は、トリニダード島との格差を是正するために独自の国民議会を開催しました。

”Just The Two Of Us”がリリースされる前の年の出来事です。

2つの島は別々の統治国の下に置かれていた歴史があります。

もっと遡れば、互いに違う文化や生活様式を持っていて、大昔はそれほど交流がなかったということもあり得ます。

うさみ

そうなら「私たち二人きり、上手くやっていこう」という歌詞はしっくりくるな

島は作者の生まれ故郷

なぜ、ラルフ・マクドナルド達はトリニダード島・トバコ島の曲を書いたのでしょう?

アミノくん

曲を書いたラルフ・マクドナルドはトリニダード島の出身なんだ

ラルフ・マクドナルドはトリニダード島生まれであり、彼の親もまたトリニダード島の生まれです。

島に頻繁に訪れていた

ラルフ・マクドナルドはスチールパン奏者としても名声を得ています。

スチールパンの発祥の地はトリニダード島。

ラルフ・マクドナルドはスチールパンの演奏会などで、トリニダード・トバコ共和国を度々訪れていたようです。

1980年、ラルフ・マクドナルドはトリニダード・トバコ共和国の旅行からアメリカに帰国したとき、ある観光キャンペーンのポスターに着目しました。

そのことが発端となって、”Just The Two Of Us” が書かれたと言われています。

そのポスターとは…

曲のタイトルは広告のキャッチコピーだった

トリニダード・トバコ共和国の国営航空会社 BWIA(現:カリビアン航空)の広告です。

引用-1980BWIAエアウェイズ広告 | eBay

キャッチコピーは「Trinidad and Tobago Just The Two Of Us」

作者たちのインタビュー

アミノくん

共同ライターたちは歌について何て言ってるのかな?

うさみ

彼らのインタビューを見つけたから見てみよう

Bill Withersのインタビュー

”Just The Two Of Us”を歌っているビル・ウィザーズも共同ライターのひとり。

彼はあるテレビ番組に出演したときに、番組司会者にトリニダード・トバコ共和国行きの航空チケットの話をします。

インタビュー動画

ビル・ウィザーズがジャケットの内ポケットからステッカーシールを取り出し、数週間前に”Just The Two Of Us”を歌ったという番組司会者に渡します。

そのときの会話に注目。

動画4:28~

Bill: “Anyway, since you sang that song, Ralph Macdonald and Grover Washington gave me this sticker here and this entitles you to buy yourself and your wife a total of two tickets to go to Trinidad and Tobago.

So you’ve been now pinned.”

「ともかく、あなたがあの曲(“Just The Two Of Us”)を歌ったということで、ラルフ・マクドナルドとグローヴァー・ワシントンがこのステッカーを私に託しました。これで、あなたと奥さんはトリニダード・トバコ共和国行きのチケットを合計2枚買える権利を得られますよ。

もう行くしかないですね。」

そして、司会者がスチール・パンの話に触れると、ビル・ウィザーズがこう答えます。

動画4:50~

Bill: “You know, Ralph’s from West Indies over there. So he is uh……to my mind nobody does it like him.”

「ほら、ラルフはあの西インド諸島の出身だからね。彼は……私が思うに、彼のように(スチールパンを)演奏する人は他にいないですよ」

”Just The Two Of Us”を歌ったあと、終始トリニダード・トバコ共和国の話をしています。

曲と2つの島との関連性を伺わせます。

William Salterのインタビュー

“Just The Two Of Us“は40年以上経った現在もSNSを通して若い世代にも親しまれている曲です。

長い時を経ても、“Just The Two Of Us“の人気が褪せない理由は何でしょう?

共同ライターのウイリアム・ソルターが次のようなことを言っています。

“It’s a phrase that’s been around since time immemorial, so it’s nothing new, really, but it’s familiar.

Just the two of us’ is a thing anybody can take and make it their own, basically.”

引用:「‘Just the Two of Us’ writer William Salter, 84, in ‘awe’ of newfound TikTok fame」より

うさみ

島のことに限らず、誰もが共感できる歌詞が人気の秘密ね

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Ralph MacDonaldのインタビュー

『When Steel Talks』のインタビュー動画です。

ラルフ・マクドナルドがスチールパンや音楽、そして、トリニダード・ドバゴ共和国について熱く語っています。

YouTubeで公開されているインタビュー動画は6つ。

3番目の動画では、ラルフ・マクドナルドが来日してブルーノート東京で演奏したときの思い出を語っています。

ブルーノート東京で演奏したときの話

ラルフ・マクドナルドが連れてきたバンドメンバーの中に、有名なスチールパン奏者のRobert Greenidge(ロバート・グリニッジ)がいました。

ロバートが”Stardust“を演奏を始めたとたん、観客がまんじりともせずに彼の演奏に聴き入ったそう。

良い音楽は国を超え言葉を超えて人を感動させるということを実感したということを、ラルフ・マクドナルドが話しています。

少し長いインタビューですが、興味があったら、ぜひ、観てみてくださいね。

スチールパンの美しい音色

日本のオーディエンスを魅了したロバート・グリニッジの「スターダスト」

Robert Greenidge-“Stardust

曲の意味のまとめ

”Just The Two Of Us”はトリニダード・ドバゴ共和国についての歌です。

共同ライターのラルフ・マクドナルドが、トリニダード・ドバゴ共和国の国営航空会社のキャンペーンポスターからヒントを得て曲が生まれました。

曲作りに後から加わったビル・ウィザーズは、歌詞を美しく仕上げることにこだわりました。

歌詞の英語の解説はこちらでしています。

【英語のニュアンスをつかむ】 ”Just The Two Of Us” - Grover Washington Jr. feat. Bill Withers: タキシードを着た言葉たち"Just The Two Of Us"はリリースされて以来、多くのアーティストたちにカバーされている名曲。恋人たちの歌ではなかった!トリニダード・ドバゴ共和国についての歌。ビル・ウィザーズのインタビューを紹介。スチールパンの魅力。40年以上経った現在もTiktokなどのSNSを通じて若い世代にも親しまれている曲です。歌詞の英語を解説しています。...