この記事では、ポーター・ロビンソンの “Goodbye To A World”の曲の意味と世界観がわかります。
Tik Tokの音源としても人気の高い、ポーター・ロビンソンの”Goodbye To A World“
世界の終わりを感じさせる哀愁漂う雰囲気のこの曲には、どのようなメッセージが込められているのでしょうか。
曲の作者であるポーター・ロビンソンのインタビューを引用しながら、英語ネイティブでアメリカ育ちのバイリンガルのアミノくんと一緒に曲の世界覗いてみます。
曲を聴く
“Goodbye To A World” – Porter Robinson
この曲は2014年にリリースされました。
ボーカルのパートにはボーカロイドが使用されています。
曲の意味
ポーター・ロビンソン自身が”Goodbye To A World” について説明しているインタビュー記事を読んでみましょう。
作者本人が語る
“Medium.com“に掲載されているインタビューの中で、ポーター・ロビンソンが”Goodbye To A World“の意味や世界観について語っています。
<このインタビューは、”Goodbye To A World“がリリースされて間もない2015年に行われたものです。>
「普通は”Goodbye To A World“って聞くと、自殺についてのこと、『残酷な世界よ、さようなら』とかみたいなことだよね。それとも、これはボーカロイドのお別れの歌?どういうことなの?」
というインタビュアーの質問に対して、ポーターは次のように答えています。
*読み上げ音声は本人のものではありません。
I didn’t see it as a suicide thing, I saw it more like an apocalypse type thing. Like the idea of worlds being created and worlds being destroyed and the end of that album.
I grew up playing MMORPG’s a lot, which are online role playing games, like World of Warcraft and whatnot.
I played one called Star Wars Galaxies, which was a really immersive online world.
When those games stop being profitable, they shut down the servers so no one can play them anymore. I was deeply, deeply attached to that game, so I kind of lived through this home, this world that I was really attached to being destroyed.
It’s something that became very sentimentalized for me, so just the whole notion of a world being destroyed is something that I think is really beautiful when depicted in the right way.
I think the vibe I was going for with “Goodbye to a World” was like a “beautiful apocalypse,” which sounds like the name of a post-Hardcore band, so I apologize for that.
– Porter Robinson Reflects on “Worlds,” One Year Later | by Mike “DJ” Pizzo | Cuepoint | Medium
【日本語訳】
※参考として、うさミミ英語が翻訳したものです。
(Goodbye to a worldを)僕は自殺的なものではなく、どちらかというと黙示録的なものだと捉えたんです。創造される世界があり、破壊される世界があり、そのアルバムが終わるという考え方です。
僕は*MMORPGをたくさんプレイして育ちました。World of Warcraftとかそういうやつですね。
スター・ウォーズ・ギャラクシーズというゲームをしたら、オンラインの世界にすごくハマった。
そういったゲームは利益を生まなくなると、サーバーが閉鎖されてプレイできなくなってしまう。僕はそのゲームに深い深い愛着を持っていたから、愛着を持っていたその居場所、その世界が破壊されるのを体験してしまった感じです。
僕にとって、それは感傷的な出来事だったけど、世界が破壊されるという概念そのものは、適切な方法で描かれると本当に美しいと思います。
僕が“Goodbye to a World”で表現したかった雰囲気は「美しい黙示録」みたいなものだと思う。なんかポストハードコアバンドの名前みたいな響きで、ゴメンナサイ。
*MMORPG=オンラインで数百~数千人規模のプレイヤーが同時に参加できるゲーム
この曲を初めて聴いたときに、曲の世界観は壮大なアニメだと思った
破壊と再生が歌われていて、悲劇と希望が同時進行てところがかな?
そうね、実際には、ポーター自身のゲームに対する思いだったのね
歌詞の考察とまとめ
ポーター・ロビンソンの”Goodbye To A World“は、彼自身の体験をモチーフにして作られた曲です。
ゲーム(MMORPG)の世界は、ポーターの日常生活の一部であり、彼が所属していたコミュニティの一部となっていました。
ですが、そのようなゲームは人気がなくなり十分な収益を生み出さなくなれば、サービスを終了してなくなります。
実際に、ポーターが大好きだったゲームもそのように終了してしまって、彼は二度とそのゲームの世界に足を踏み入れることができなくなりました。
ポーターは自分の居場所と社会活動の一部を壊されて奪われたような気がして、感傷的な気持ちになったようです。
この曲”Goodbye To A World“で、ポーターは自分の世界を失ったときに持つネガティブな感情を美しく昇華させることを試みたのかもしれません。
I’ll surround you
And give life to a world that’s our own
- (Porter Robinson “Goodbye To A World”より)
君を包み込んで
僕たちの新しい世界を作るからね
give life to a world that’s our own:これは1つの世界(1つのゲーム)を失ってしまった自分たちに対する慰めとなるフレーズです。
大切な何かを失っても、次の新しいものを作り出すことができるという可能性。
その可能性は希望であり、絶望からの救いとなり得ます。
新たな始まりという希望があるからこそ、古いものが終わりを迎えることに美しさを見出すことができるのではないでしょうか。
ポーターのいう「美しい黙示録」とはそういうことかも
この曲の歌詞は、サービスがまもなく終了するオンラインゲーム(MMORPG)のプレイヤーたちに向けられた慰めと励ましのメッセージだと解釈することができます。
歌詞和訳
“Goodbye To A World“の和訳は『洋楽の歌詞を和訳しているブログ』に掲載中です。